養老孟司氏は『バカの壁』でおなじみの東京大学医学部の解剖学者。昆虫学者としても有名であり、鎌倉の自宅には世界の珍しい昆虫の標本があると言われている。
山極寿一氏は京都大学の霊長類学者で、2014年に京都大学総長に就任し、2020年まで務めた。アフリカにもゴリラの実地研究で何回も足を運んでいる。
本の題名の『虫とゴリラ』は著者二人のやって来たことを端的に表したものである。この二人は虫と霊長類の研究を通じて、これを現代の世界文化の現状批判や分析を行っている所が凄いのである。二人の話し合っている内容は私などには理解しがたいものが多いが、虫や霊長類の霊を引きながらの現代文明批判は面白いものである。
読み終えたが、この本は2―3回読み直すのが良いと思っている。