養老孟司氏は『バカの壁』でおなじみの東京大学医学部の解剖学者。昆虫学者としても有名であり、鎌倉の自宅には世界の珍しい昆虫の標本があると言われている。

山極寿一氏は京都大学の霊長類学者で、2014年に京都大学総長に就任し、2020年まで務めた。アフリカにもゴリラの実地研究で何回も足を運んでいる。

本の題名の『虫とゴリラ』は著者二人のやって来たことを端的に表したものである。この二人は虫と霊長類の研究を通じて、これを現代の世界文化の現状批判や分析を行っている所が凄いのである。二人の話し合っている内容は私などには理解しがたいものが多いが、虫や霊長類の霊を引きながらの現代文明批判は面白いものである。

読み終えたが、この本は2―3回読み直すのが良いと思っている。

山本一力が売り出し始めた頃は、よく彼の小説を読んだ。スッキリとして、正義が最後に勝つストーリーは単純ながら説得力があった。その後、少し物足りなくなって彼の小説から離れた。

この小説は「たすけ鍼シリーズ」の1冊である。このシリーズは鍼灸師染谷(せんこく)とその妻<太郎>と娘の<いまり>が主人公である。このシリーズを始めて読んだので、染谷の妻の名前が太郎とはおかしいと思ったが、読んでいる内に深川芸者の名前は男の名前を使い、引かれて結婚してもその芸者時代の名前を使うのだと納得した。おかしな習慣があったものだ。深川は公方様のお城から見ると東南に当たるので辰巳の方向であるので、辰巳芸者とも言われた。

小説の時代は天保の時代である。一力は資料として冬至の暦を見ているのか、当時の暦を良く知っており、店舗4年には7月がうるう月として2回あったことまで小説に書いている。当時の深川の中心は富岡八幡宮であり、染谷鍼灸師は蛤町に住んでいる。

一力の小説は、正しいことを苦しくても辛抱強くやっていれば、やがては良い結果になることはいつものことなので、読み終わってもあまり満足感がない。何か物足りない想いで読み終えたが、このシリーズは続くのである。

近藤奈央はNHKの平日番組「おはよう日本」に気象予報氏として毎朝6時から8時の間に数回出て来る。私は7時に起きるから6時台のことは知らないが、7時台には2回ほど出て来る。

33歳の彼女の健康そうな笑顔を見ると気持ちが温かくなる。彼女は常に屋外から今日の気象について予報を行っている。寒い時は毛糸のマフラーを首に何重にも巻いており、夏の暑い時はそれなりの姿である。

2021年の3月31日からNHKの番組に出ている。愛嬌のある表情で、ファンが沢山いるらしい。福岡大学を卒業後、NHK長崎放送局契約アナウンサーを経て、現在は南気象予報士事務所に所属している。

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